フリーWi-Fiスポットより4Gの方が良い
スーパーやコンビニなど、様々なところで展開されている「フリーWi-Fiスポット」。自分のモバイルデータ通信を使用せずに、無料でインターネットが利用できるものとして、大変便利であるため、利用する人が多いだろう。しかし、僕はそれを使うことはほとんど無い。というのも、フリーWi-Fiは、便利であるその反面、以外と不便でもあり、危険でもある。
よくインターネットで調べ物をしようとすると、読み込みエラーが発生する。あれ、どうしてだろうと、設定を調べてみると、何とネットワークがフリーWi-Fiに繋がってるではないか。
フリーWi-Fiは、多くの人が利用する。皆が接続しようとするから、一つのアクセスポイント*1に、アクセスが集中する。そうすると、通信速度が遅くなったり、読み込みエラーが発生することがある。そうなると、回線速度が戻るまで、通信は遅いままになる。そういうことになるなら、4Gの方が遙かに便利だ。
そして、不便なだけでなく、フリーWi-Fiには危険も潜んでいる。
Wi-Fiは、データを電波で送受信する通信技術の一つだ。そして、その通信には、暗号化と呼ばれるプロトコルがかけられている。Wi-Fiなどの無線でやりとりする通信は、有線LANに比べて、安全性が低い。暗号化方式が高いもの(WPA2など)であれば、特に気にとめる程ではないだろう。(とはいえ、WPA2にも脆弱性が見つかったので、注意が必要だ。)*2
しかし、フリーWi-Fiは、そういった暗号化は施されていない。(セキュリティパスワードが設定されていないのだ。)つまり、悪用するユーザから見れば、盗聴しようとすれば、簡単にできるリスクがあるのだ。フリーWi-Fiにセキュリティパスワードがないものは、通信が暗号化されていないことを指している。
しかし、暗号化されていないフリーWi-Fiは、かなり危険であるにも関わらず、それを知ってる人は多くないという。実際、セキュリティソフトウェア開発元である、ノートンインターネットセキュリティによる調査では、「安全なインターネットかどうかを区別できる人」は、10人に1人という調査結果を出している。単純な考えで行くと、カフェにいる10%以下の人たちしか、フリーWi-Fiの裏にある脅威を知らないのだ。他の人たちは、そんなこと知らずに、自分のデバイスをその脅威に晒しているのだ。
現在のOSでは、フリーWi-Fiに接続しようとすると、警告が表示されるなど、フリーWi-Fiによる脅威について、認知させるようになっている。しかし、それでも「そんなことあるわけない」と高を括っていると、知らないうちにデータを読み取られ、個人情報がインターネット上に晒される危険がある。
そういった意味でも、こうしたフリーWi-Fiには、気をつけるべきである。
2020年の東京オリンピックに向けて、国はフリーWi-Fiスポットを設置しているようだが、これはあまり懸命とは言えなさそうだ。やるならば、大手キャリアプロバイダが、海外観光客に、購入したデータ分だけ、4G回線を利用できるシステムを作る、または、ポケットWi-Fiのレンタルをするべきである。現に、Appleでは、「Apple SIM」という、海外で旅行する際に、世界で180以上の国と地域で、主要プロバイダのデータプランをデバイスから直接選択できる機能がある。(まあ、iPadしか対応してないから、これも不便なんだけどね。)そういった、大手キャリアプロバイダが、海外旅行に行くときも、来るときも、安全なインターネットを利用するための、サービスを展開する必要がある。
フリーWi-Fiの脅威に、どう立ち向かうかではなく、フリーWi-Fiの代わりになる新たなものが必要である。利用するユーザが、安心してインターネットを利用できるようにするために。
出典:
Wi-Fi通信の盗聴・ハッキングを防ぐ暗号化技術『WPA2』 その仕組みと脆弱性対策とは|TIME&SPACE by KDDI
無料Wi-Fiスポットはどこまで安全でしょうか? | マルウェア情報局
3月24日 21時投稿